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IT(情報技術)が人や社会に与えた影響と課題とは?

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こんにちは!こよなしの雜賀です。

IT(情報技術)は、個人のコミュニケーション、教育、仕事、娯楽など、さまざまな場面で活用されています。インターネットやスマートフォンなどのITツールを使えば、いつでもどこでも情報を得たり、コミュニケーションをとったり、便利なサービスを利用したりと良い側面ばかりに目が行きがちになりますが、悪い側面にもしっかりと目を向けなければなりません。この記事では、ITが人や社会に与えた影響について、3つずつの良い影響と悪い影響に分けて考えてみましょう。また、ITの普及によって生じた情報格差や情報弱者という問題についても触れたいと思います。

良い影響

  1. 知識や学習の機会の増加
    ITのおかげで、私たちはインターネット上にある膨大な情報にアクセスできるようになりました。検索エンジンやウィキペディアなどを使えば、気になることや知りたいことを簡単に調べることができます。また、オンライン講座やMOOCs(Massive Open Online Courses)などを利用すれば、自分の興味や目的に合わせて様々な分野の知識やスキルを学ぶことができます。ITは、私たちの知的好奇心を満たすだけでなく、自己啓発やキャリアアップの手段としても役立っています。
     
  2. コミュニケーションや交流の幅の広がり
    ITは、私たちのコミュニケーションや交流の方法、範囲を大きく変えました。メールやSNS(Social Networking Service)などを使えば、遠く離れた人とも簡単に連絡を取ったり、近況を共有したりできます。また、ビデオチャットやオンライン会議などを使えば、顔を見ながら話したり、共同作業したりできます。さらに、ブログやYouTubeなどを使えば、自分の考えや趣味を発信したり、同じ趣味や関心を持つ人と交流したりできます。ITは、私たちの人間関係や社会参加を豊かにしています。
     
  3. 生活や仕事の効率や便利さの向上
    ITは、私たちの生活や仕事に多くの効率や便利さをもたらしました。インターネットバンキングや電子マネーなどにより、お金の管理や支払いが簡単になりました。オンラインショッピングやデリバリーサービスなどを使えば、自宅から商品や食事を注文できます。クラウドコンピューティングやリモートワークなどを使えば、場所や時間にとらわれずに仕事ができます。ITは、私たちの時間や労力を節約し、快適な生活や仕事を支えています。
     

これだけを見れば良いことずくめにも思えますね。それでは、悪い影響についても考えてみましょう。

悪い影響

  1. 情報過多や偽情報によるミスリード
    ITのおかげで、私たちはインターネット上にある膨大な情報にアクセスできるようになりましたが、その反面、情報過多や偽情報に悩まされるようになりました。インターネット上には、正確で有用な情報だけでなく、間違いであったり、不必要なり悪意のある情報も多く存在します。私たちは、情報の真偽や価値を判断する能力や態度を持たなければなりません。また、情報に振り回されずに、自分の目的や優先順位を明確にする必要があります。ITは、私たちに情報リテラシーを高めることを求めています。
     
  2. プライバシーやセキュリティ情報の漏洩
    ITは、私たちのコミュニケーションや交流の方法や範囲を大きく変えましたが、その反面、プライバシーやセキュリティの危険にさらされるようになりました。インターネットやスマートフォンなどのITツールを使うとき、私たちは自分の個人情報や履歴を意識せずに公開したり、第三者に渡したりすることがあります。これらの情報は、悪用されたり流出したりする可能性があります。私たちは、自分のプライバシーやセキュリティを守るために、ITツールの使い方や設定を注意深く行わなければなりません。ITは、私たちにリスク管理能力を高めることを求めています。
     
  3. 人間関係や精神衛生への負荷の上昇
    ITは、私たちの生活や仕事に多くの効率や便利さをもたらしましたが、その反面、人間関係や精神衛生に悪影響を及ぼすことがあります。インターネットやスマートフォンなどのITツールは、私たちを中毒的に引きつけたり、現実から逃避させたりすることがあります。これは、私たちの対人スキルや社会性を低下させたり、孤独感や不安感を増幅させたりすることがあります。私たちは、ITツールの使いすぎや依存を防ぐために、自分の時間や行動をコントロールする必要があります。ITは、私たちに自己管理能力を高めることを求めています。
     

いずれもITを活用する上では見過ごせないことばかりです。ITの恩恵を享受するのであれば、同時にデメリットの克服も考えなければなりません。

ここまではITを既に利用している人たちを対象としてきました。それでは、ITの活用に至っていない人たちにはどのような影響や課題があるのでしょうか。

情報格差と情報弱者

情報格差とは、情報を得る能力や機会によって、社会的・経済的・教育的な不平等が生じる現象のことです。情報格差によって、情報弱者と呼ばれる人々が不利益を被ることがあります。情報弱者とは、情報を得る能力や機会が低い人々で、例えば、高齢者、障害者、貧困層、離島や山間部の住民などが挙げられます。情報弱者は、インターネットやスマートフォンなどの技術が普及していたとしても、情報にアクセスすることが困難であったり、情報を適切に活用することができなかったりします。これによって、情報強者との間に知識やスキルの差が広がり、社会的・経済的・教育的な格差が深まる恐れがあります。

では、情報格差と情報弱者に対して、どのような対応が考えられるでしょうか。

  1. 情報インフラの整備
    インターネットやスマートフォンなどの情報技術は、情報を得るための基本的なツールです。しかし、日本ではまだまだ地域や世代によって、インターネットの普及率や利用環境に大きな差があります。特に、離島や山間部などでは、インターネット回線の整備が遅れていたり、高速通信ができなかったりします。また、高齢者や低所得層などでは、スマートフォンやパソコンを持っていなかったり、利用料金が負担になったりします。このような状況では、情報弱者はインターネットにアクセスすることすらできません。そこで、政府や自治体は、インターネット回線の整備や公共施設での無料Wi-Fi提供などを行い、全国各地でインターネットに安全かつ快適にアクセスできる環境を整える必要があります。また、スマートフォンやパソコンなどの端末や利用料金に関しても、補助金や割引制度などを設けて、低所得層や高齢者などに配慮する必要があります。
     
  2. 情報リテラシーの向上
    情報リテラシーとは、情報を探す・評価する・活用する・発信する能力のことです。インターネットには膨大な量の情報が溢れていますが、その中には正しいものもあれば間違ったものもあります。また、インターネット上では個人情報やプライバシーが漏洩したり、ネットいじめや詐欺などの被害に遭ったりするリスクもあります。このような状況では、情報弱者は、情報を適切に判断したり、自分の権利や利益を守ったりすることができません。そこで、学校や社会教育などを通じて、情報リテラシーを向上させる教育や啓発が必要です。具体的には、インターネット上の情報の信頼性や偏りを見分ける方法や、個人情報やプライバシーを保護する方法やルール、ネットいじめや詐欺などの被害に遭わないための対策などを学ぶことが重要です。
     
  3. 情報サポートの充実
    情報サポートとは、情報弱者に対して、情報を提供したり、情報技術の使い方を教えたり、情報に関する相談に応じたりするサービスのことです。インターネットやスマートフォンなどの情報技術は日々進化していますが、それに伴って操作方法や機能も複雑化しています。このような状況では、情報弱者は、情報技術を使いこなすことができません。そこで、政府や自治体は、情報サポートセンターなどの施設を設置し、専門的なスタッフやボランティアが情報弱者に対して、情報技術の使い方を丁寧に教えたり、必要な情報を提供したり、困ったときに相談に乗ったりするサービスを提供する必要があります。また、図書館やコミュニティセンターなどの公共施設でも、情報サポートの役割を果たすことができます。
     

まとめ

今回の記事では、ITの普及により生じた良い影響と悪い影響、情報格差と情報弱者について述べました。情報格差と情報弱者への対応として挙げた、情報インフラの整備、情報リテラシーの向上、情報サポートの充実は、情報弱者だけでなく、社会全体にとっても有益になると考えられます。情報格差が解消されれば、社会的・経済的・教育的な格差も縮小される可能性があります。また、情報リテラシーが向上すれば、インターネット上でより質の高いコミュニケーションや協働ができるようになるかもしれません。さらに、情報サポートが充実すれば、地域社会や世代間でのつながりや支え合いが増えるかもしれません。これらはすべて、IT普及により生じた悪影響を緩和し、持続可能な社会の実現へと近づく重要な要素ではないでしょうか。