ゲームエンジン GDevelop を使ったプログラミングセミナーを開催しました
こんにちは。こよなしの雜賀です。
去る2022年11月、12月および2023年1月に奈良の三郷町でプログラミングセミナーを開催しました。
今回はその模様をレポートしたいと思います。
座学
セミナーのお題目は『プログラミングを基礎から学び仕事のスキルアップを目指しましょう』。
プログラミングとはそもそも何なのかといったことやプログラミング時に用いる言語の特徴、ノーコード開発のような従来とは異なるプログラミング手法についてご紹介しました。
実践
その後は実践です。
2時間という短い時間で何かしらの作品をつくり出すため、従来のコードを書くようなプログラミングは行わずに開発できる GDevelop を用いることにしました。GDevelop はノーコードのゲーム開発エンジンです。ゲーム開発が主体ではあるものの、Webアプリやスマホアプリを比較的簡単に開発することができます。最近ではボタン等のUI周りも強化されつつあります。今後、ゲーム以外でも活用する機会は出てくるかも知れません。
《11月》
11月のセミナーで製作したのは『脳力トレーニング』のミニゲームです。
2桁の足し算の式を提示して、その答えを3つの選択肢の中から選びます。式や答えの選択肢を生成するための乱数の取り扱いやマウス操作のイベント処理を通して人間がコンピュータへ指示を与えるコツを学んでいただきました。
《12月》
次に、12月のセミナーで製作したのは『固定画面シューティング』のミニゲームです。
せっかくゲームエンジンを使っているのですから、ゲームらしいゲームを作ってみようということでチャレンジしてみました。
ノーコードを謳うものの特徴として多くの機能部品の存在があります。「攻撃用のレーザーを発射する」等の本来であれば手ずからプログラミングしなければならない機能があらかじめ用意された機能部品を使えば数行のプログラムで完結します。シューティングともなると考えることも増えますが、機能部品の利用による開発生産性の高さを体験して頂けたかと思います。
《1月》
最後の1月のセミナーで製作したのは『横スクロールアクション』のミニゲームです。
このタイプのゲームでは地面があって重力もある世界を再現することになります。また、キャラクターの動きに合わせた画面のスクロールも発生します。これらを一から作りこむのは骨が折れますが、機能部品を使ってしまえば驚くほど簡単に実現することができます。シューティングで味わった機能部品の恩恵をより強く感じられたのではないでしょうか。
まとめ
GDevelop によるミニゲームの開発はプログラミングの入門編として良い体験になったのではと思います。セミナーは各回ごとに完結するようにしていましたが、3回すべてを受講された熱心な参加者もおられました。
プログラミングに用いる言語やノーコード開発環境によりプログラムの表現方法は千差万別です。ゲーム開発では高い生産性を誇る GDevelop でも、ビッグデータ解析や業務プロセス管理といった用途には明らかに向いていません。もし、何かWebアプリやスマホアプリを作りたいとなった場合には、まず一度は立ち止まり、目的に合うプログラミング環境を探してみましょう。世の中には多くのプログラミング環境があります。それらの向き不向きや現在から未来までに生じるコストを見極める目を養うことが肝要となるでしょう。